湘南のジェラテリア:The Market SE1のブログページです。
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木次乳業からの手紙
いつものように届いた”山のおちち”の納品書と一緒に、1枚の手紙が入っていました。暑い日が続いてたので、牛乳の取り扱いに関するお知らせかなと思い開いてみると、全く思いもよらなかった販売中止の文字。あまりにも突然のことで、ただただ呆然としてしまいました。

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山のおちち牛乳販売中止について

拝啓 残暑の候、時下ますますご清祥の段、お慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、暑く御礼申し上げます。

 さて弊社では平成18年より、中国山地の山麓にて完全放牧した乳牛の生乳を原料乳とし「山のおちち牛乳」として販売してまいりましたが、この地での酪農の継続が困難となり、今秋11月をもちまして販売中止することとなりました。
 これまでご愛顧いただきました皆様に多大なご迷惑をおかけすることになり深くお詫び申し上げます。

 ご存知の通り「山のおちち牛乳」の牧場は中国山地、毛無山の麓、標高800mにございます。当初完全放牧を夢見て、酪農家とその支援者が一生懸命努力され現在の牧場を築いてこられました。春から秋の牧場は非常に快適な環境ですが、冬の牧場はその様相が一変し、街から数キロ離れた牧場は豪雪のため陸の孤島となり、従業員の通勤もはもとより、資材や原乳の運搬も困難な日々が続きました。
 このような冬期間の過酷な状況からの克服は困難となり、残念ですがこの地での酪農を断念されることとなりました。

 今後は、これまでのような環境での酪農ができませんが、これに準ずる形で永く継続可能な酪農経営を応援して参りたいと存じてますので、再開した際には今まで同様に皆様のご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
 とり急ぎお詫びとお礼を申し上げます。

敬具

(原文まま)

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”山のおちち”は広島県と島根県の県境にある「毛無山ラッキー牧場」さんの生乳を使用しています。木次乳業と提携し
「限りなく自然に近い牛乳を造る」をコンセプトに、乳牛を終日放牧する山地酪農に取り組んでこられました。山地酪農では国内でも最大規模の200ha(!)放牧場に、120頭のホルスタイン種及び、ブラウンスイス種が暮らしており、24時間完全放牧で牛舎はありません。牧草に国産の穀類とオカラ、ビール粕などを食べ、自然の中でのびのびと力強く育った牛たちのミルクは、自然の恵みそのもの。ストレスなくよく動きまわってるので脂肪分が低くさらりとした味わい、なのにミルクの味をしっかり感じることができます。そして何と言っても、ほのかな甘みと牧草の風味の素晴らしいこと!一口飲むだけで大自然を感じることのできる、貴重なミルクです。

これだけ広大な放牧場で自然に近い状態で飼育するということは、大変なご苦労があったと思います。特に冬の牧場は2メートルもの雪が積もり、牛が命を落とすこともあったと聞きました。それでもワタシたちに安全で美味しいミルクを届けるために、毛無山ラッキー牧場のみなさんはこの難しい山地酪農に取り組んでこられたのだと思うと、頭が下がる思いです。本当にありがとうございました。

木次乳業、そしてこの”山のおちち”なくして、現在のSE1は存在しません。残りの3ヶ月間、ワタシたちは作り手として多くの人の記憶に残るジェラートを提供できるよう、また新たな気持ちで精進していく所存です。これから10年後、20年後に「あんなに美味しいミルクジェラートあったんだよ!」と記憶の片隅に残してもらえたら、ワタシたちにとってそれが一番の喜びです。

12月からは”山のおちち”に代わり”山地酪農”が登場します。これまでも冬になると”山地酪農”を使っていたので全く違和感はありませんが、夏はまだ未経験。暑い夏の乳質でどんなミルクジェラートに変身するのか今から楽しみです。
| 2011.08.17 Wednesday | ミルクについて | trackbacks(0) |
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